根も葉もある嘘八百

光れ 光れ その先に何があっても

ドルメンxの話

あらすじはざっくりいうとこんな感じ。

主人公は宇宙人5人組。一人は女子、他四人は男子。人を傷つけない方法で地球征服を試みる(甲子園出場、総理大臣になる、大統領になる等)がどれもうまくいかない。そんななか女子メンバーが地球征服そっちのけでアイドルにはまりだす。その姿を見て四人が思いついたのは、「アイドルになれば、地球征服できるんじゃね?」

かくしてアイドルDDのマネージャー女子と、ルックスはいいが欠点だらけの男子のアイドル計画が始まる。

アイドルってキラキラして格好良いもの。芸能人って全員金持ち。何でもできて何でも持ってる。―そんなことはないと思いつつ、我々はそう思い込んでいる所がある。

そんな幻想をぶち壊してくれる、えぐぐて辛い現実を描いてくれているのがこの漫画だ。そして何よりも、芸能なんて甘いもんじゃない、その裏には苦労も過酷さもえげつなさも存在する、という現実さえも、エンターテインメント作品(漫画)に昇華してしまっていることが、実は怖いことなのではないかと思う。

実は、このブログを書こうと思ったきっかけはまさにこの漫画だ。第8話で、作曲好きのオタクメンバーがアイドルグループの作曲を任せられる。しかし一向に曲は出来上がらない。そう、彼は曲を作りたいと言いつつ一度も曲を完成させたことがなかったのだ。曲を作れば、自分の才能を誰かが認めてくれるという理想と、曲を作ったら、自分には才能がないと認めることになるのではないかという恐れが自分の中に渦巻き、一歩も前に進めない。でもそんなんじゃだめだろう!?予防線はってんじゃねーよ!と女子マネに激怒される。そして振付師に、「最初から格好つけようとしているから駄目なのよ、最初から格好いい人なんていないのに」とまっとうなご指摘。このあたりのくだりはアイドルに限ったことではなくよくわかる。というわけで、筆者もこのような駄文でも好きな作品の話をぽつぽつと語りたくなったのである。

アイドルが好きな人にも、嫌いな人にも、彼らに対して何らかの感情を抱く人にはぜひ読んでみてほしい作品だ。

ちなみに下記サイトで2巻まで現在無料公開中。

 

comic.pixiv.net