現場への参加スタンスの話
2016年上半期が終わった。しばらく、自分の現場参加歴と参加姿勢について振り返ってみようと思う。
私は一つだけ、現場に参加するにあたって心に留めていることがある。それは、「今日が人生で一番幸せな日である人が、この中にきっといる」ということだ。
現場に思いを馳せる時にはよく、「蚊になりたい」と思う。蚊だったら、どんなに入場規制の厳しい現場でも、自由に参加できるのに。海外にだって、最前列にだって、いとも簡単に行けるのに。それくらいに、例えばあの回転扉の外と中は、近くて遠い。
どんな現場でも、ほっそ長い紙切れを手にし、たった数人の目視を通過し、ほんの小さなパーソナルスペースを手に入れることに、どれだけの苦労がいることか。それが少しでも前に、通路側に、右に、左に、好きなあの人がもっと良く見える場所だったら、どんなにうれしいことか。
自分と直接の関わりのない人に対してなのに、こんなにも夢中に、必死になっている。
私には、自分にとって最高の、今までの人生で今日が一番幸せだ、と迷いなく思えた現場が、確かにある。だから、自分が主で暮らしている畑以外でも、幸運にもその小さなパーソナルスペースを頂けたときは、めいっぱい楽しんで、空気を吸って、その熱気を、パフォーマンスを、堪能したいと思っている。
今日も、明日も、どこかの現場で、「人生で一番幸せな今日」が生まれているかもしれないと思うと、少しだけ幸せな気分になる。