根も葉もある嘘八百

光れ 光れ その先に何があっても

口コミの力の話

シン・ゴジラが面白いらしい。

もともとすごく興味があったわけではないが、ツイッターで見かける「これは見た人にしかわからない。とにかく見てくれ。」との相次ぐ口コミを見ていて見ようと思っている。

何が人を動かすのか。

昔は「いい!」というストレートな賞賛やそれが結果となった興行収入、視聴率が宣伝文句となったが、今は違う気がする。

 

先日も書いたが、エンターテインメントにおける日本人的魅力は突っ込みどころ=ダサさなのだ。だから、今人を誘い込む文句は、「○○は最高だから是非見て!」よりも「すごいものを見てしまった」「どこから突っ込んでいいのかわからない」なのかもしれない。

何より私自身が、後者の文句を目にした時の方が魅力を感じ、「どれどれ?どういうこと?」と参加したくなるからだ。

 

これは、現代のSNS事情とも関係していると思う。「すごいものを見てしまった」に動かされてみたものの感想を、「私も見た。とんでもない作品だった。なぜなら・・・」とすぐに語り合えるから。回答や意思疎通が頻繁にできる社会になったからこそ、いい作品、面白い作品、ではなく首を突っ込みたくなる作品が受けている気がする。

また、感受性の多様化も理由としてあげられるだろう。このジャンルが受ける、このキャスティングが受ける、といった絶対的正解はほぼなくなった今、信じられるのは関心や、なんか面白そう、という肌触りなのかもしれない。

 

今までも、口コミに乗って見てきた作品がたくさんある。最後にその一例を紹介する。

「KING OF PRISM by Pretty Rhythm」TLに埋め尽くされる図解やジャニオタは見るべきとのコメント、何より「世界が輝いて見える!」という危険極まりない文句に踊らされて鑑賞。あっという間に自身もプリズムエリートに。

名探偵コナン 純黒の悪夢」え…?コナンってそんな方向までカバーしているの?と困惑せざるを得ない腐女子の興奮に飲み込まれ鑑賞。なるほどこれはいい。ところでタイガといい安室さんといいたれ目の釣り眉はBLの鉄板なのだろうか。誰か教えて欲しい。

ズートピア」子供向け鉄板ディズニー作品だと思っていたら、なぜかオタクがわいている。しかもBLでもなさそうなのに、なぜ?←失礼

と思っていたが、鑑賞して納得。この、バカップルではなくくっつきそうで永遠にくっつかなさそうな世界観は異性でありながらもBLやブロマンスの切ない世界観と重なるものがある。少女漫画ドリームとは少し違った関係性が、萌える。

「あずみ」実はツイッターの反響にのって昨年あずみ舞台を鑑賞した。浅香君の登場シーンはジャニオタが絶対好き、とどこかで見かけたことがきっかけなのだが、実際にこれは好きなやつだった。アイドルでいることを辞めてもなお煌めきの欠片を纏ってしまっている人の集う舞台は、現役アイドル舞台とも新劇とも違った空気感があった。

 

というわけで、これからも軽率なオタクとして人の勧めるところには積極的に飛んでいきたい。